「人の可能性を信じ続ける。」最優秀マネジメント賞受賞の店舗責任者に聞く、成果を出すキャストマネジメント。
バルセロナには今、2名の店舗責任者がいます。創業時から会社を支えるNo.2である取締役本部長 杉本篤郎と、入社から8年目で2店舗の責任者を務めている細川裕人です。今回は、昨年度キャストマネジメントで最も成果を修めた社員に贈られる『マネジメント賞』を受賞し、マネジメントの力によって今も大きな成果を残し続けている細川店長に、キャストマネジメントの真髄についてお話ししてもらいました。
ニュークラブ 桃李・P&J 店舗責任者 細川裕人
北海道出身。2019年、監督する店舗にて1店舗の月間最高売上を9600万円に大きく更新。2020年1月、最もマネジメントで成果を収めた社員に贈られるマネジメント賞を受賞。現在は、ニュークラブP&J、桃李の2店舗の店舗責任者として200名程のメンバーをマネジメントしながら、年間約15億円の売上を創出している。細川のマネジメントノウハウを体系化したマネジメント研修(自社研修)では、研修講師も務める。
『ビジョン共有』がマネジメントの鍵。限界を外して、共にビジョンを描く。
ー細川店長といえば、最もマネジメントで成果を収めた社員に送られる「マネジメント賞」を昨年受賞されたのが記憶に新しいですが、なぜご自身が受賞されたと思いますか。
誰よりもキャストさんと向き合ってきたからだと思います。少なくとも月間50名、年間600名のマネジメントには入りますし、売上を大きく創出するトップキャストのマネジメントにも強く入ります。それだけ多くのキャストに向き合って、成果を共に創り出してきました。それが受賞に繋がったのではないかと思います。
ー細川店長の何がマネジメントで大きく成果を創られた要因だと思いますか。
僕が一番上手いのは「ビジョン共有」ですね。どんな人も「本当はやりたかったのに諦めたこと」がきっとあると思うんですね。子供の頃って夢で溢れてるじゃないですか。でも大人になる過程で、無意識のうちに自分の可能性に上限をつけて「自分には無理だな」って諦めてしまう。マネジメントをしていく上では、まず自分で勝手に決めている限界を外してあげることが重要です。限界を外し、ワクワクする夢やビジョンを一緒に描くのが僕は上手いんだと思います。
経済的にだけでなく、豊かに生きる人を増やす。人を幸せにする仕事。
ーそんな細川店長にお伺いしたいのですが、キャストマネジメントってどんなお仕事ですか。
経済的にだけではなく豊かに生きる人を増やし、人を今よりも幸せにしていく仕事だと思ってます。キャストの仕事って頑張れば必然的に「お金」がついてくるんですが、僕は「お金を稼ぐこと」は手段だと思っています。大事なのはその先でそのお金を使って何がしたいのか、どう生きていきたいのかっていう所だと思うんですね。
だから、「どんなビジョンを実現したいか」から頑張る目的を一緒に決めて、それを数値目標に落とし込み、実現のための具体的な行動目標を決めていきます。そうやって人のモチベーションを高め、生産性をあげて、成果を出す。そうすることで、より多くのキャストたちが幸せに豊かに生きていけるようにサポートするのがキャストマネジメントの仕事です。
ー具体的にどんなキャストさんたちがいますか。
背景は様々ですが、みんな普通の女性ですよ。シングルマザーさんや学生さん、昼職との掛け持ちで働いている方もいます。トップキャストには、この仕事一本で頑張っている方が多いです。みんな一生懸命で、いろんなモチベーションで働いてくれていますよ。起業したい、トップキャストになりたい、有名になりたい、幸せな結婚がしたい、子供の養育費を稼ぎたい、世界一周したい、特に目的はないけどお金をたくさん稼ぎたいなど、様々です。
「細川がいたから、今の私がある。」人と向き合う仕事特有のやりがいと葛藤。
ーどんな瞬間に「やりがい」を感じますか
キャストさんから「細川がいたから」って言葉をもらえた瞬間です。僕は常に「人のために」って本気で考えて動いているので、長年向き合ってきたキャストから「細川がいたから、今の私があるよ」って言ってもらえた瞬間が僕のやりがいです。今の僕を支えてくれています。辛い時は、いつも思い出しますね。
ー逆に葛藤する瞬間はどんな時ですか
苦しいのは、人が離れていく瞬間ですね。どれだけ相手を思っていても、相手のために行動していても、相手に思いが伝わらず、生産性も上がらず、それでキャストが辞めてしまう時。僕は人一倍、一人ひとりへの思い入れが強いタイプだから、そういう瞬間はストレスを感じますし、純粋に悲しい。「自分の力不足だ、もっと何かできなかったんだろうか」って考えます。人と直接向き合う仕事だから、やりがいも葛藤も人から感じますね。
ー細川店長は8年間マネジメントに向き合ってきて、何を獲得されましたか
獲得したスキルはたくさんありますが、僕が8年間で得た一番大きなものは、人としての在り方です。「人」しかないこのビジネスでは、自分の在り方が投影されます。「人を動かす」って難しいけど、それが責任者の仕事で、マネジメントの肝なんです。僕は「誰よりも目の前の相手の可能性を信じ続ける」ことを大事にするようになりました。自分の可能性を信じられていない人は、人の可能性も信じられないし、自分が豊かに生きていない人が、人を豊かにできるわけがありません。不思議とプライベートも含めて人生が豊かになりました。
最初は下手くそだっていい。相手と心から向き合うだけでも立派なマネジメント。
ー細川店長たち熟練クルーのノウハウを体系化したのが全社でクルーに対して行っている「マネジメント研修」だと思うのですが、研修はどうやってできたんですか。
キャストマネジメントって「やってみろ」だけじゃ、できない部分なんですよね。すごく難しいけど、この仕事において、マネジメントは売上を大きく作用する重要なテーマなんです。僕自身すごく注力してきたポイントですし、「会社としてマネジメントをもっと強化していきたい」という話を執行役員の津野さんとよくお話ししていました。もっと多くのクルーがもっとマネジメントの手法を早く覚えて、高い水準で出来るようにしていきたい。津野さんが僕たちのノウハウを体系化してくれてできたのが今の研修です。
ーこれからキャストマネジメントを始める社員に伝えたいことはありますか。
「上手くやろうとしなくていい」ってことです。みんなマネジメントっていうと、構えてしまってうまくやろうとしちゃうんです。でも、それって実はすごくもったいない。マネジメントは難しいし、最初からできる人はいません。完璧じゃなくてもいい。相手を思って、相手と一緒にワクワクする未来の話をするだけでもいい。それだって立派なマネジメントです。下手くそだっていいから、一生懸命キャストと向き合って欲しいんですよね。
一ミリも疑わずに「人の可能性」を信じ続ける。勝手に人の限界を決めない。
ー細川店長のこれからの目標をお伺いしたいです。
1ヶ月に1億円売る店舗を創りたいんです!バルセロナの1店舗の月間最高売上は9600万円で、これは僕が以前達成した記録です。その時と変わって、今の立場は2店舗の店長なので、自分の持っている全店舗で1億円超を実現したいです。自分が一店舗だけにフルコミットしたらきっと実現できるけど、統括をしながら実現していくという道が何より難しい。ここに挑戦したいと思います。
そうなったときには、キャストも生活が豊かになり、より多くのクルーも昇格し、会社にも大きな利益が入るので、先行投資がしやすくなる。売上ってたくさんの人を幸せにできるので。僕の監督する店舗でより多くの人を幸せにし、会社の成長を加速させたいです。
ー最後になりますが、仕事をする上で重要視している価値観を教えてください!
人の可能性を信じ続ける。これにつきます。人って勝手に自分の中で上限を決めてしまったり、目の前の相手の限界も決めてしまったりする。この人はこのくらいまでかなって。でもそんなことないんですよ。本当に望めばどこまでだっていける。僕は、誰の可能性も一ミリも疑っていません。キャスト、クルー、自分、会社、お客様、全ての可能性を疑いません。僕はこの考え方を一番大事に毎日マネジメントに向き合っています。